「○○の秋」の始まりがどこなのか気になったので調べてみました
「秋」は、「○○の秋」といわれるものがいくつもあります。
ほかの季節ではあまり耳にしませんよね。
そのなかでも、よく耳にする「食欲の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」の3つについて調べてみました。
そもそも、いつからいわれるようになったのでしょうか。
調べてみるとそれぞれ諸説あるみたいです・・・
「食欲の秋」について
これについては、「収穫の秋」や「実りの秋」も関係してきます。
1年のなかで特に秋は、旬の食べ物が多い季節です。
日本人の主食である米は新米の収穫がなされ、野菜や果物も収穫期を迎えます。
秋刀魚(サンマ)などの魚類も脂がのったものが出回ります。
鮭なんかも「秋鮭」と、わざわざ「秋」をつけるくらいおいしいものがあります。
しかも、夏バテで食欲が落ちている体が、秋の心地よさで回復し、食欲も増します。
そういったアレコレが重なって、いつしか「食欲の秋」といわれるように。
「読書の秋」について
先に書いたように、秋は心地良い季節です。
何かに集中するには、とてもよい季節。
中国唐代中期に活躍した文人・韓愈(かんゆ)の漢詩「符読書城南」のなかに、「燈火親しむべし」とあります。
この意味は、過ごしやすい秋の夜長は、灯火のもとで読書をするのに適している、です。
この詩を、夏目漱石が小説「三四郎」のなかで取り上げています。
このことから、「秋には読書」・・・「読書の秋」につながっているのかもしれません。
また、文化の日を含む10月27日から11月9日は、1948年以降「読書週間」とされています。
1日目の10月27日は「読書の日」です。
もともとは、1924(大正13)年に日本図書館協会が11月17日から11月23日までを「図書館週間」と制定したことがはじまりとされています。
1933(昭和8)年に「図書祭」と改称されましたが、1939(昭和14)年には戦争の影響で一旦廃止。
終戦後、1947(昭和22)年から「読書週間」と改称されて再開しましたが、このときはそれまでと同じく11月17~23日まででした。
ですが、翌年1948(昭和23)年には、文化の日(11月3日)の前後1週間を「読書週間」とし、現在の10月27日から11月9日の2週間になりました。
こういったアレコレが重なって、いつしか「読書の秋」といわれるように。
「スポーツの秋」について
1964年に開催された東京オリンピックの開会式10月10日を体育の日と制定。
それをうけ、運動を楽しもうと、スポーツイベントがいろいろと活発になりました。
運動会や体育祭なんかも、秋ですよね。
気候のいい秋は、体を動かすのにとてもよい季節です。
このことから、いつしか「スポーツの秋」といわれるように。
おわりに
それぞれ諸説ありますが、どこの誰が一番はじめに言いだしたのか・・・興味津々です。
結局どれも、はっきりしたことは分かりませんでしたが、今回調べてみて、ちょっとスッキリしました。
ちなみに、ほかの「○○の秋」についてですが・・・
「芸術の秋」なんかもよく耳にしますね~。
これは、1918年に発行された雑誌「新潮」のなかで、「美術の秋」という言葉が使われていたとのことです。
これも関係して、秋は物事に集中しやすい季節なので、芸術作品に没頭できるからでしょうか。