どぅしよかな堂

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『鬼姫・鈴鹿御前』と『鬼女・紅葉』について調べてみました

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今週のお題「鬼」

 

今日(2月2日)は【節分】。

2021年は、例年とは違い2月2日が節分です。

 

スーパーに行くと、恵方巻きがズラ~っとズラ~っと並んでいました。

そして豆まき用の豆も各種売られています。

「福は~内、鬼は~外」

ですが、私は毎年、

「福は~内、鬼も~内」

です(^m^*)鬼好きなので♪

ネットをウロウロしていると、

「今年は、『福は~内、鬼は~外、コロナ~外』で豆まきをする」

と、書いている人がちらほら・・・

 

久しぶりに、今週のお題で書いてみます!

大好きな「鬼」のなかでも、「鬼姫鈴鹿御前」と「鬼女・紅葉」について。

 

 

 

鬼姫鈴鹿御前(すずかごぜん)

鈴鹿御前は、「鈴鹿姫」や「鈴鹿権現」、「立烏帽子(たてえぼし)」などともよばれます。

 

三重県伊勢国)と滋賀県近江国)の県境に位置する鈴鹿峠を拠点としていました。

東海道の要衝であるこの鈴鹿峠には、盗賊団や鬼神がよく出没していたとか。

 

鈴鹿御前の伝承も、いろいろな説が残っています。

大きく分けると2つ・・・でしょうか。

 

ひとつは、坂上田村麻呂“とともに”、鬼神や盗賊を討伐“していた”説。

これは、人を襲う鬼を退治していた天女説ともまじります。

 

もうひとつは、坂上田村麻呂“に”、鬼姫として討伐“される”説。

これは、妖術を操る女盗賊・立烏帽子が鬼と化して、討伐軍と戦った説とまじります。

または、第六天魔王(仏教における他化自在天という俗界の最高位・魔王)の娘として、討伐軍と戦った説とも。

鈴鹿御前は絶世の美女だったといわれ、この討伐軍の大将・坂上田村麻呂と恋仲になってしまったといわれています。

 

よくよく考えてみると、この2つの説はどちらも正しく、もともとは坂上田村麻呂に討伐対象とされていたけれど、完全に討伐“された”のではなく、結局お互い恋仲になってしまい、それ以降は“ともに”戦った・・・ということなのかなぁ・・・と。

 

坂上田村麻呂は、「田村丸」や「藤原俊宗」ともいわれています。

鬼退治の人として有名人。

鈴鹿御前と結婚して、二人の間には、娘の「小りん」が誕生します。

実は、鈴鹿御前はもともと「悪路王(あくろおう)」という東北地方の鬼の頭目の妻でした。

しかし、悪路王を討伐にきた坂上田村麻呂と恋仲になり、悪路王を討つ手助けをしたという説もあります。

 

鈴鹿御前と坂上田村麻呂との出会いについてもいくつか説があります。

 

鈴鹿御前が扱う刀(剣)は、「三明(さんみょう)の剣」とよばれる三振りの刀。

「大通連(だいとうれん)」、

「小通連(しょうとうれん)」、

「顕明連(けんみょうれん)」。

もともとは鈴鹿山に住む鬼神「大嶽丸(おおたけまる)」の刀で、大嶽丸を討伐にきた坂上田村麻呂の手助けをするために、鈴鹿御前が大嶽丸から奪ったともいわれています。

このときはじめて二人は出会ったという説もあります。

鈴鹿御前が死を悟ったとき、「三明の剣」は、夫・坂上田村麻呂と娘・小りんに譲ったとされます。

若くして死んだ鈴鹿御前の魂は、坂上田村麻呂閻魔大王に直談判して連れ帰り、100歳を超える大往生を遂げたとか。

 

鈴鹿御前は「鬼のなかの鬼(姫)」、「鬼の絶対加護をもつ」ともいわれ、雑魚鬼では傷付けることさえできなかったといいます。

神通力ももっていたとか。

神通力とは、霊能力・超能力のことで、説明不可能な未知の能力・法力のこと。

 

 

鬼女・紅葉(もみじ)

紅葉は、「鬼女」込みでの名前で呼ばれることが多いです。

長野県(信濃国)戸隠と鬼無里にまたがる荒倉山を住処としていた鬼女紅葉。

 

もともとは都の「人」だった紅葉は、呪詛の罪で戸隠に流されたといわれています。

はじめのころは村人を助け敬われていましたが、そののち鬼女となり悪さをはたらいていたとか。

それを聞き、都から派遣された平維茂(たいらのこれもち)は上田市別所の北向観音から剣を授かり、鬼女紅葉を退治したといわれています。

 

「もともとは都の人だった」説は、第六天魔王の申し子だった紅葉が都の貴族に仕えていた、ということをさしているようです。

 

ここでひとつ『ん?』と思うことが・・・

先に書いた「鈴鹿御前」も、第六天魔王の娘という説がありました。

となると、鈴鹿御前と鬼女紅葉の関係性は?・・・と思って調べていくと・・・

鈴鹿御前」は、第六天魔王の「娘」説。

「鬼女紅葉」は、第六天魔王の「申し子」説。

「申し子」にもいろいろと意味があって、神仏に祈って授かった子とか、霊力を持ったものから生まれた子とか、不思議な力をもつ子とか・・・

考えるに、「娘」はそのまま「魔王の子供」という意味で、「申し子」は「魔王の力をもつ子」という意味なのかなぁと。

さらに調べると、平安時代の公卿・伴善男の子孫、伴笹丸と妻の菊世は子供に恵まれなかったので、第六天魔王に祈ったところ生まれたのが紅葉(本名:呉葉)だということでした。

あぁ~だから「申し子」なのですね(°v°*)納得☆

 

で、話をもどします。

紅葉は才色兼備の美女だったため、主君・源経基の寵愛を受け子供を宿します。

しかし、正室を呪った呪詛の罪で戸隠に追放されたということです。

戸隠に流されたあと男児が生まれ、経基の一字をもらい「経若丸」と名付けます。

この経若丸は、声に神通力があったとか。

 

戸隠周辺では、盗賊の頭領となった説もあり、「鬼女」として妖術を使って悪さをしていたともいわれています。

一方で、鬼無里村では都の文化や医薬などを伝えた恩人として、「貴女・紅葉さま」と村人から慕われていたともいいます。

 

戸隠や鬼無里には、今でも鬼女紅葉に関連するものが残っています。

「鬼女紅葉の住処・鬼の岩屋」「顔を洗っていた化粧清水」「墓・鬼の塚」など。

鬼女紅葉の墓は、鬼無里・松巌寺の境内にある小さな石塔といわれています。

その昔、「鬼立山地蔵院」といい紅葉の持仏である地蔵尊を祀っていたとされています。

 

戸隠と鬼無里では、鬼女紅葉の供養と偲びをこめて、「鬼女紅葉祭り」が秋頃開催されているようです。

 

 

おわりに

本来、「鬼」には性別はないとされています。

でも、鬼姫伝説や鬼女伝説は、有名な「鈴鹿御前」や「鬼女紅葉」以外にも残されています。

どういうことなのでしょう・・・

つまりは、鬼であって鬼ではない、ということかなぁ(・x・)・・・

 

以前、【鬼の正体とは?】ということで書きました。

doushiyokana.hatenablog.com

「鬼」とは、そういうものです。