ギリシャ神話とローマ神話の神の名前の違いとは？どんな神々がいたのか

ギリシャ神話は、紀元前15世紀頃からはじまったといわれています。

神々や英雄たちの物語を語り継ぎ、物語として文章化されていったとか。

紀元前6世紀頃に、ギリシャ語とともにローマに伝わり、古代ローマにもともと存在した神々たちと対応させ名前を変えて、同じような神として伝承されていきます。

ギリシャ神話には存在しないけれど、もともとローマに存在していた神は、そのままローマ神話にだけ存在していたりもします。

また、ギリシャ神話の神のなかには、ローマに伝わったときに違う神として変化した神もいるようです。

ここでは、

◆神の役割（どういった神なのか）

［ギリシャ神話］での名前

それに対応する、

［ローマ神話］での名前

［英語名（英語読みすると）］

を、簡単な説明文とともに書いています。

オリュンポス十二神の名前

オリュンポスとは、ギリシャの最高峰オリンポス山のこと。

古代ギリシャ語で、「オリュンポス」と発音するみたいです。

古代ギリシャでは、この山の頂上に十二柱の神が住んでいるとされていました。

※説話によって十二神が違うことがありますので、合わせて十四神を書いています

ゼウス ￤ ユピテル

◆最高神／全知全能の神／雷帝神（雷神）／天候（雷雨）の王

［ギリシャ神話］Zeus（ゼウス）

［ローマ神話］Jupiter（ユピテル）

［英語名］Jupiter（ジュピター）

クロノスとレアの息子で末っ子三男。

姉兄：ヘスティア（長女）、デメテル（次女）、ヘラ（三女）、ハデス（長男）、ポセイドン（次男）

知恵の女神メティスが最初の正妻でしたが、メティスが身ごもると、「生まれてくる子は父をもしのぐ」と不吉な予言をされ、ゼウスは恐れのあまり妊婦のメティスを飲み込んだそうです。

次第に頭痛が酷くなったゼウスは頭を割いてもらうと、戦いの女神アテナ（メティスとの子）が生まれ飛び出してきたということです。

つぎに、掟の女神テミス（ティターン神族）が正妻になり、ホーライとよばれる季節・時間をつかさどる三姉妹と、モイライとよばれる運命をつかさどる三姉妹をもうけます。

最後の正妻は姉のヘラ。

惑星：木星

シンボル：鷲、雷（を呼ぶ杖）

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◇［ギリシャ神話］Zan（ザン）･･･ギリシャ神話にはヤヌスに対応する神はいないとも

◇［ローマ神話］Janus（ヤヌス）

◇［英語名］Janus（ヤヌス）

ローマ神話の神で、二面の双頭をもつ神。

始まりと終わり、過去と未来、若さと老い、プラスとマイナスといったことなどをあらわすといいます。

もしくは三面の三重の顔（過去と現在と未来／三位一体）、または四面の四方向の顔をもつともいわれます。

門（出入口）や扉を守る神であり、事の始まりと終わりをつかさどる神でもあります。

ギリシアでZan（ザン）がゼウスになっていることもあるため、ヤヌスはゼウスにあたるといわれることもあります。

それは何故か？

万物の支配をあらわす光の原初神Dianus（ディアヌス）が分化して、ギリシャ神話のゼウス（ザン？）と、ローマ神話のヤヌスになったという説があることから、もともとヤヌスとゼウスは同じ原初神だったから同一視されることもあるということかと。

ヘラ ￤ ユノ

◆天界の王妃／結婚（婚姻）・出産の女神／女性と子供の守護神

［ギリシャ神話］Hera（ヘラ）

［ローマ神話］Juno（ユノ）

［英語名］Juno（ジュノー）

クロノスとレアの娘で、弟ゼウスの正妻。

惑星：ジュノー（準惑星）

シンボル：孔雀、王冠

ポセイドン ￤ ネプトゥヌス

◆海の神／地震の神

［ギリシャ神話］Poseidon（ポセイドン）

［ローマ神話］Neptunus（ネプトゥヌス）

［英語名］Neptune（ネプチューン）

クロノスとレアの息子。

惑星：海王星

シンボル：馬、三つ叉の矛（鉾）、海

アテナ ￤ ミネルヴァ

◆戦い（戦争）の女神／知略の女神

［ギリシャ神話］Athena（アテナ）

［ローマ神話］Minerva（ミネルヴァ）

［英語名］Minerva（ミネルヴァ）

ゼウスの頭から生まれた娘で、母はゼウスに飲み込まれた知恵の女神メティス。

翼をもつ勝利の女神Nike（ニケ／ナイキ）は、アテナの従神とされています。

ニケは、古代ギリシャ彫刻・サモトラケのニケでも有名な女神で、ローマ神話のVictoria（ウィクトーリア）と同一視されています。

惑星：アテネ（小惑星）

シンボル：メデューサの頭がついた盾、槍、兜、鎧、ふくろう、オリーブの冠

アレス ￤ マルス

◆戦い（戦争）の神／軍神

［ギリシャ神話］Ares（アレス）

［ローマ神話］Mars（マルス）

［英語名］Mars（マーズ）

ゼウスと正妻ヘラの息子。

惑星：火星

シンボル：槍、武具

ヘルメス ￤ メルクリウス

◆風の神／旅・商業・情報の神

［ギリシャ神話］Hermes（ヘルメス）

［ローマ神話］Mercurius（メルクリウス）

［英語名］Mercury（マーキュリー）

ゼウスとアトラスの娘マイアの息子で、ゼウスの伝令使。

2匹の蛇がからまっている伝令の杖ケリュケイオン（ケリュケスの杖）をもっています。

惑星：水星

シンボル：伝令の杖、翼がついた帽子、翼がついたサンダル

アポロン ￤ アポロ

◆太陽の神／予言・予告の神

［ギリシャ神話］Apollon（アポロン）

［ローマ神話］Apollo（アポロ）

［英語名］Apollo（アポロ）

ゼウスとレトの息子で、アルテミスと双子。

医術の神アスクレピオスの父。

惑星：太陽

シンボル：月桂樹、竪琴

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◇［ギリシャ神話］Helios（ヘリオス）

◇［ローマ神話］Sol（ソル）

◇［英語名］Helios（ヘリオス）

後々、アポロンと同一視されるようになっています。

もともとは、ウラノスの孫で、ゼウスとは従兄弟。

アルテミス ￤ ディアナ

◆月の女神／純潔の女神／森林の女神／野生動物の守護神

［ギリシャ神話］Artemis（アルテミス）

［ローマ神話］Diane（ディアナ）

［英語名］Diana（ダイアナ）

ゼウスとレトの娘で、アポロンと双子。

惑星：月

シンボル：三日月の髪飾り、矢筒、狩猟犬

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◇［ギリシャ神話］Selene（セレネ）

◇［ローマ神話］Luna（ルナ）

◇［英語名］Luna（ルナ）

後々、アルテミスと同一視されるようになっています。

もともとは、ウラノスの孫で、ヘリオスは兄。

アフロディテ ￤ ウェヌス

◆美の女神／愛の女神

［ギリシャ神話］Aphrodite（アフロディテ／アフロディーテ）

［ローマ神話］Venus（ウェヌス）

［英語名］Venus（ヴィーナス）

ゼウスとディオネの娘で、ヘパイトスの妻。

海の泡から生まれたともされています。

アレスとの間に息子エロス（キューピット）など、夫ヘパイトス以外の神々などとの間にたくさんの子供を生んでいるようです。

惑星：金星

シンボル：ホタテの貝殻、真珠

ヘパイトス ￤ ウルカヌス

◆鍛冶の神／火の神

［ギリシャ神話］Hephaestus（ヘパイトス／ヘファイストス）

［ローマ神話］Vulcunus（ウルカヌス）

［英語名］Vulcan（ヴァルカン）

ゼウスとヘラの息子で、アフロディテの夫。

ヘラだけで生まれてきた子供ともいわれ、ゼウスはヘラの不倫だと勘違いして、生まれたばかりのヘパイトスを投げ捨て、それが原因で足が不自由になったということです。

シンボル：金槌、番犬

デメテル ￤ ケレス

◆大地の女神／豊穣の女神／農業の女神

［ギリシャ神話］Demeter（デメテル／デーメーテル）

［ローマ神話］Ceres（ケレス）

［英語名］Ceres（セレス）

オリュンポス十二神とする説、しない説、どちらもあります。

惑星：セレス（準惑星）

シンボル：麦の穂、麦穂の冠

ヘスティア ￤ ウエスタ

◆かまどの女神／家庭の女神

［ギリシャ神話］Hestia（ヘスティア）

［ローマ神話］Vesta（ウエスタ）

［英語名］Vesta（ヴェスタ）

クロノスとレアの長女。

ディオニソスに十二神を譲ったとされます。

惑星：ヴェスタ（小惑星）

シンボル：かまど

ディオニソス ￤ バッコス

◆酒の神／解放の神／豊穣の神

［ギリシャ神話］Dionysus（ディオニソス／ディオニュソス）

［ローマ神話］Bacchus（バッコス／バックス）

［英語名］Bacchus（バッカス）

ゼウスと人間セメレの息子。

シンボル：葡萄、ツタの冠

ハデス ￤ プルト

◆冥界の王／死者の神

［ギリシャ神話］Hades（ハデス）

［ローマ神話］Pluto（プルト）

［英語名］Pluto（プルートー）

クロノスとレアの息子で、姉デメテルの娘ペルセポネの夫。

惑星：冥王星

そのほかの主な神々

ガイア ￤ テルス

◆大地の女神／存在の母

［ギリシャ神話］Gaia（ガイア）

［ローマ神話］Tellus（テルス）

［英語名］Terra（テラ）

カオス（≒渾沌）から生まれた最初の存在で原初神。

天であるウラノスを生み出した、すべての存在における母。

惑星：地球

カオス（≒渾沌）とは、天地創造の前段階の状態のこと。

何もない状態（空間・隙間）のことです。

ここから、天や地が創られていきます。

すべての意味において、カオス＝渾沌（こんとん）ではなく、カオス≒渾沌ということのようです。

カオスを原初神と存在づけることもあります。

ウラノス ￤ ウラヌス

◆最初の最高神／天の神（天そのもの）／天空神

［ギリシャ神話］Uranus（ウラノス）

［ローマ神話］Uranus（ウラヌス）

［英語名］Uranus（ウラヌス）

ガイアにはじめて生み出され、ガイアの夫としてティターン神族を生み出します。

惑星：天王星

ティターン神族とは、オリュンポス十二神よりも古くからの神々です。

クロノス ￤ サトゥルヌス

◆農耕の神／大地の神

［ギリシャ神話］Cronus／Kronos（クロノス）

［ローマ神話］Saturnus（サトゥルヌス）

［英語名］Saturn（サターン）

ウラノスとガイアの息子で、巨神族のティターン神族。

ゼウスやヘラたちの父。

ティターン神族を率いてオリュンポス十二神と大戦争をおこないます。

惑星：土星

シンボル：大鎌（アダマスの鎌）

プロメテウス

◆人類の創造者

［ギリシャ神話］Prometheus（プロメテウス）

［ローマ神話］対応神なし

［英語名］Prometheus（プロメテウス）

ティターン神族。

粘土から人を創ったとされています。

天界の火を盗み、人に与えた神でもあります。

おわりに

調べれば調べるほど、おもしろいです（°ｖ°*）ハマる♪

が、ややこしい（＾ｘ＾；）

『誰が誰で、誰がどれ？誰と誰がどうつながっているの？』

書ききれないほどの神々が次々と登場してくるので、絞りました。

これ突き詰めていくと・・・大変なことになりそうです・・・